7月19日放送の健康カプセル ゲンキの時間より「激痛から大病に発展!?尿路結石・胆石」の話題をご紹介します。

あなたの身の回りに、「石ができやすいから、ホウレンソウは絶対食べない」「石が流れるように水分(それがたまたまビールだったりする)たっぷり摂らなきゃ」と言いつつ、実は苦手なだけのホウレンソウを残したり、飲みっぷりのよさを披露したりしている方はいませんか?

例えば職場の飲み会で、発言主が中年男性、それを聞いたのが若い女性、なんて組み合わせだと、「はあ…?」という、わかるような、わからないような空気になってしまうかもしれません。

なぜ石ができやすい人はホウレンソウを目の敵にするのか。

水分補給にビールってアリなのか。

「石」ができるメカニズムを知れば、正しい予防法が見えてきます。


  
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尿路結石ができやすい人の特徴

尿路結石は意外に身近な病気のようで、番組MCの三宅裕司さん御自身は複数回経験があるとのこと。

また、同じく渡辺満里奈さんの御主人・名倉潤さんと、英玲奈さんの飼い猫!?も「できた」ことがあるといいます。

猫ちゃんの話はこの際置いておいて、三宅さん自身が比較的若い頃に一度経験し、その後再発ということですし、名倉さんも30代で発症したようですから、イメージほど「若いから大丈夫」という病気でもないようです。

ついでにいえば、ここで出てきたのがたまたま男性というだけで、元モーニング娘。の市井紗耶香さん(現在31歳で2年前に発症)のように、若い女性でも経験者は少なくないといいます。

お酒好きで暴飲暴食をする中年のオジサンの病気、などと短絡的に言いきれない何かがありそうですね。

ざっくりとではありますが、尿路結石ができたことがある人には共通していることがあるといいます。

共通点その1「コーヒー・紅茶を毎日飲む習慣がある」

国際医療福祉大学三田病院泌尿器科の荒川孝先生によると、結石の成分の80%は、食べ物などから摂取したシュウ酸という成分が肝臓のカルシウムと結合してできた「シュウ酸カルシウム」というものであり、コーヒーや紅茶にはこのシュウ酸が含まれている、とのこと。

ほかにもよくやり玉にあげられるホウレンソウ、サツマイモ、キャベツ、レタス、バナナ、チョコレートなどにもシュウ酸が多く含まれているようですが、どれをとってもビタミンCや繊維質が豊富だったり、ポリフェノールの効果が期待できたりと、割と体によさそうですよね。

ですから、このあたりは「摂らない」というよりは、「摂り過ぎに注意」が順当でしょう。

コーヒーや紅茶の場合、毎日習慣的に、しかも1日のうえにかなりの回数飲んでしまう人も珍しくありませんから、結石ができたことがある方や、ちょっと心配という方は、このあたりを見直してみては?

ちなみに、シュウ酸が含まれるものをカルシウムと一緒にとることで、肝臓のカルシウムと結合する前に体外に排出してしまう効果が期待できるので、コーヒーや紅茶にミルクを入れたり、ホウレンソウのおひたしには鰹節を使ったりという工夫で、結石の生成を防ぐ効果も期待できるようです。

共通点その2「花粉症」

日本人の実に29%が花粉症というデータがあるようですが、結石ができたことがある人のなんと半分は「花粉症」の症状もあるとのこと。

これは、花粉症の症状であるくしゃみや鼻水で水分不足に陥ってしまうために起こることのようです。

つまり、何かと水分が不足しがちな夏場も、結石ができやすい状況ということになりますよね。

心臓病などで制限がかかっているんでもない以上、水は1日に2リットルは摂るのが理想だといいます。

ところで、前述の市井さんは、出産後の授乳も水分不足の原因になったと考えられるようですから、授乳中の女性も要注意のようです。

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実験・結石ができやすい食べ物は?

6人のゲンキチャレンジャー(一般視聴者)の皆さんが、2人ずつ3グループに分かれ、それぞれのメニューを食べた後、「ある数値」をはかりました。

Aグループは「かつおの刺身と焼き鳥」、Bは「とんかつ定食」、Cは「日本そば」です。

結果、Bでも「上昇」は見られたものの、Aの上昇が特に顕著。
Cはむしろ「下降」という結果になりました。

その物質とは、ずばり「尿酸値」。

ざっくりいえば「プリン体」の摂り過ぎによって上昇します。

尿酸値といえば痛風というイメージもに強いのですが、やはり結石にもよろしくないようですね。

プリン体といえば主にタンパク質ですが、お酒、特にビールに多く含まれていますから、「海の幸でビールを飲むのが大好き」「ビールと焼き鳥の組み合わせは至高」とジャンジャン飲み食いしていたら……「まあそうなるよね」という数値になり、健康診断でギクッとすることになります。

今回の実験では、一時的に数値が上昇しただけですが、継続的に尿酸値が高くなる食生活をしている方は、この辺の見直しも必要です。

共通点その3「乳酸」

適度な運動はさまざまな病気やけがの予防に有効ですが、あまりにも激しい運動をしたり、普段動かない人が気まぐれに激しい運動をしたりすることで、乳酸値が上がってしまうことがあります。

そしてこの乳酸値の上昇は、尿酸値の上昇にもつながるとのこと。

ふだんからコツコツと少しずつ体を動かす習慣をつけるなど、「適度な運動」を習慣化させましょう。

尿路結石の治療法

尿管結石で最も勘違いされやすいのは、尿管に結石が詰まった状態が「痛い」というものです。

ではなく、結石で尿管に栓がされてしまうため、膀胱に尿がたまってしまい、それが膨満することで神経を刺激して「もんのすごく痛い」と感じるとのこと。

まだ小さいうちなら、気付かぬうちに尿と一緒に排出され、痛みそのものを感じすらしないこもとあるようですが、大きくなってしまったら不可能ですよね。

手術によって除去するほか、「体外衝撃波結石破砕術」なる、『北斗の拳』か『血界戦線』かという感じの、まるで技名のような治療法があるようです。

柔らかいものは通過し、硬いものに衝撃を与える性質のある波を利用して細かく破砕し、尿と一緒に石を排出させてしまうとのこと。

体外衝撃波結石破砕術法

「静かなる爆弾」胆石

胆汁(肝臓から分泌)の成分が固まって、胆のうや胆管に石状になってたまるものを「胆石」と呼びます。

胆のう炎の原因のほとんどがコレと言われていますから、見つかったら早目の治療をおすすめします。

特に症状や苦痛もないからと放置したせいで、胆石が邪魔をしたことで胆のうがんの発見が遅れ…という実例もあるそうですよ。

胆石はコレステロールの増加によってできやすくなるといわれていますから、ずばり、脂っこい食事がお好きで摂りがちな方は要注意です。

実はこの日のゲンキリサーチャーである深沢邦之さんは、6年前の番組企画でエコー検査をした時、小さな胆石が見つかっていたものの、「何ともないのでそのまま放置」していたということで、今回の検査では、もとのものが少し「成長」していた上に、もう1つできていました。

それでも「いや、大丈夫でしょう」と涼しい顔のまま、特に何もする気はない様子でしたが、さすがにテレビの前の皆さんが「おいおい…」と思ったことでしょう。

まとめ

結石も胆石もできないに越したことはありませんが、できたからといって、即時に命にかかわるものではありません。

むしろ若いうちに症状が出たり、検査で見つかったりした場合は、食を初めとした生活意識を改善し、「できないようにする」というきっかけになる、という前向きな捉え方もできるようです。

アラームといいますか、一病息災とでもいう感じでしょうか。