7月8日放送のためしてガッテン!より帯状疱疹(たいじょうほうしん)の早期発見についてご紹介します。

子どもの頃、「水疱瘡(以下「水痘すいとう」)」で学校や園を休んだ経験のある人は多いでしょう。

今はさまざまな病気の予防ワクチンがあり、幼少期から小学校低学年にかけて、自治体から無料券をもらって集中的に打ったりしますが、なぜか水痘のワクチンは任意で有料(※後ほど触れます)。

ワクチン接種より、実際に罹った方がいい場合もあるのかな?とのんきに構えていたら、体の中に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが、大人になってから悪さをする可能性が高いのだとか。

その名も「帯状疱瘡」です。

名前のとおり、発疹が体のあるエリアにベルト状に出る病気で、症状が酷い場合は「痛さで眠れない」「治療に6カ月かかった」という例もあるとか。

病気って一度かかってしまえば、免疫体ができて二度とかからないのでは?と思っていたら、「罹ったことがあるからこそ罹る」病気があるとは御無体な……という感じですが、早期治療や予防のコツも、ないわけではないようです。


  
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神経節に隠れていたウイルスがのこのこ出てきた!

帯状疱瘡の原因となるのは、前述のとおり、水痘にかかったときに体の中で死滅しきらず残っていた水痘・帯状疱疹ウイルスですが、なんと、よりによって神経が集中している「神経節」に潜伏し、人間が加齢、疲れ、病気などで体に衰えが見え始めたころ、つまりは大人になってから(特に5、60代の方)ひょこっと顔を出すのだとか。

神経に触るような痛みが特徴の皮膚病で、2度、3度と繰り返す人も珍しくないといいます。

この治療のためには、抗ウイルス薬の投与をできるだけ早く(最低でも発症から72時間以内)が鉄則ですが、72時間というのは本当に「最低でも」。

1分でも1時間でも早い対応が望ましいといいますから、できれば、「これはもしや…」を発症1日目に感じたら、すぐに診てもらった方がいいようです。

といっても、まだ帯状というほどでもなく、ぽちっと赤いものが1カ所という程度だったら、「虫刺され?」とか「よくある湿疹か何か?」で済ませて、様子を見てから病院に行く人も多いのではないでしょうか。

実際問題、すぐに病院に行けるとは限らないし、本当に虫刺されや何かだった場合、お医者さんに「何で来たんですか?」という顔をされる可能性もあるし、ちょっと勇気が要りますよね。

皮膚に痛みや違和感があったら要注意!

帯状疱疹

帯状疱疹の経験がある人は意外と多く、該当で声を聞いてみると、「おなか周りに出た」「胸のあたりに出た」という人が合わせて6割だったり、今にして思えば、発疹が出る前から皮膚の一部に「チクチク」「ビリビリ」「ズキズキ」という痛みや違和感を覚えていた……という人がほとんどのようです。

つまり、これが帯状疱疹の前触れ。

実際に辛い思いをした方にはお気の毒ですが、この経験から発せられた声を生かさない手はありません。

水痘の罹患経験があり、まだ帯状疱瘡に罹ったことのない人――のみならず、リピーターも多い病気とのことですから、痛みを感じる皮膚の下には何かある!ということで、その場所を注意深く観察していたら、忌まわしい赤いポッチが、なんてことがあるかもしれませんよ。

これが帯状疱瘡なら、超早期治療が可能になります。

それと同時に、年をとるのは仕方がないとはいえ、疲れや病気(糖尿病2型、悪性腫瘍)も免疫力が弱まってくる原因ですから、食事に気を配る、疲労を溜めないようにするなど、体をいたわることも大切です。

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水痘の予防ワクチン

冒頭で「水痘のワクチンは無料にならない」と書きましたが、実は昨年10月から、12カ月から36カ月までの子どもに対し、2度のワクチン接種が無料の定期接種に制度変更されています。

自費ならば1万円前後かかる注射ですから、対象年齢のお子さんがいる親御さんや、これから妊娠・出産予定のある方には朗報といえるでしょう。

注射を打つことで水痘だけでなく、将来的な帯状疱瘡のリスクもなくなるのです。

対象年齢以外(もちろん大人も)でも、自費負担にはなりますが接種自体は可能です。

痛みの苦痛や治療の負担を考えたら、思い切って打ってもらうのも手ではないでしょうか。

興味のある方は、内科や皮膚科のお医者さんに相談してみてください。

平成26年10月1日から、水痘ワクチンが定期接種となりました。(厚生労働省のサイト)

これってイイの?悪いの?

小さな子どもが当たり前にワクチンを打つようになれば、水痘になる子どもがいなくなり、結果としてウイルスがその辺を浮遊することもなくなります。

実はその「せい」で、大人に帯状疱疹が出る可能性が上がるのだとか。

というのも、免疫を持つ人がウイルスに触れることで、免疫力が上がるという効果も期待できるという側面があります。

水痘にかかっている子どもと接する機会が多い保育士さんなどは、帯状疱疹の罹患率が低いとのこと。

そのウイルスがなくなったら、免疫力を上げる機会を奪われることになるわけです。

実際、1995年に水痘ワクチンが定期接種になったアメリカでは、成人の帯状疱瘡患者が1.5倍になったといいます。

「だったら今までの子どもみたいにウイルス飛ばしまくっててくれればいいのに」という暴言を吐きたくなりますが、人類全体の問題として長く長く続けていけば、いずれは水痘ウイルス自体を撲滅できちゃったりするのかもしれません。

まあ、夢のような話ではありますが。

まとめ

実は私、水痘に罹ったのが20代後半でした。

幼少期は友達や弟が罹っていたときにもスルーされたのに、当時3歳だった長女が保育園からもらってきたものをまんまと移された次第です。

子どもが発症した時点で「さすがに今回はやばいかも」と思い、潜伏期間を考えて、「あと2、3週間で発症する可能性があるので、それからしばらく仕事ができないかも(年齢が高いほど重症化すると言われたので)」と、当時仕事をもらっていたオフィスに電話をしたら、「……まだやってなかったんですか(笑)」と結構あからさまに笑われたことがありました。

結局高熱とのどの痛みが2、3日続いたくらいで、発症から1週間後に病院で見てもらったら、「あ、もう大丈夫ですね」と言われて拍子抜けしたというオチでしたけど。

こんな経験のせいか、正直「何か自分は(帯状疱疹)大丈夫な気がしてならない」のですが、もちろん根拠は全くないし、油断は禁物。

せいぜい日常生活を律し、皮膚の痛みと発疹に気をつけなければと思います。