6月17日放送のためしてガッテン!のテーマは「肌 骨 血管 若さのカギ ビタミンパワー決定版」でした。

肉食で植物は一切とらないライオン、現実的には雑食のような食生活になっているものの、基本は肉食である犬、猫、「彼ら」はみんな、ビタミンCを自らの体内で合成できるって御存知でしたか?

それどころか、ビタミンCを食べ物などからとらなければいけないのは、人間のほかにはゴリラやチンパンジーといった一部の動物だけなのだといいます。

ビタミンは、人間が生きていくためには「必ず」摂らなければいけない大切なものです。

漠然としたイメージで漫然と野菜を食べるだけでなく、ビタミンの性質を理解し、効率よく摂ってみませんか?


  
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“ビタミン”の発見はノーベル賞ものの偉業

ビタミン
出典:http://www.sportsoasis.co.jp

ビタミンといっても多くの種類がありますが、簡単に定義づけると、「生物が生きていくのに必要なもののうち、三大栄養素(糖質・脂質、タンパク質)以外の有機化合物」となります。

“ビタミン”にカテゴライズされる栄養素の発見で、今までノーベル賞を受賞した人は25人います。

2003年、理化学研究所の笠原和起研究員らが PQQ(ピロロキノリンキノン) という物質を発見し、55年ぶりに新種発見かと思われましたが、結果としてPQQはビタミンとして認定されませんでした。必須アミノ酸の代謝に関わる働きがあるそうです。

発表当時の資料

ビタミンCの効果

ビタミンの中でも最もなじみ深いのは、ビタミンCではないでしょうか。

美肌、風邪の予防など、生活の大変身近なところでの効果が期待されるビタミンです。

が、実はこの2つ、

「コラーゲンの形成の役目があるといわれているが、まだ研究段階」
「風邪の諸症状を軽減することが期待される」

という程度で、

「効果がないわけではない」というのが本当のところのようです。

一方で、体内の活性酸素を打ち消して、心臓病・血管系の病気での死亡率を1/3に低減させる効果が期待されるという研究結果もあります。

ビタミンCを効率よく摂る方法

熱で破壊されやすい、水に溶けるといった弱点もありますが、調理の仕方や摂り方次第で、せっかくのビタミンCが効果を発揮できなかったり、逆に効果が2倍になったりします。

キャベツ、コマツナ、白菜といった、あくが少なめで生食もできる野菜なら、「一旦冷凍して解凍する」という食べ方で、ゆで調理と同じような処理ができます。

お浸しやあえ物を作るとき、覚えておくと便利ですね。

ブロッコリーやカリフラワーのような固くてゆで調理が必須のものは、少量の水とフライパンを使った「蒸し調理」がおすすめ。

また、ビタミンCのサプリメントなどは、必ず「食事の後」に摂取すること。

こうすることで、ゆっくりと体にとどめながら吸収することができます。

食後にビタミンCたっぷりのフルーツを食べるのは理にかなっているということですね。

それから、食べ物が傷みやすいこの季節、方法としては現実的とはいえませんが、人参、じゃがいも、玉ねぎといった野菜は、切って2日(25℃常温)で放置することで、ビタミンCの量が2倍になるのだとか。

切ることで活性酸素が発生し、それに対抗してビタミンCが合成されるのだそうです。

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国家戦略で投与されている?ビタミンB1

科学のこぼれ話のような読み物や、場合によったら都市伝説系がお好きな方なら、鈴木梅太郎という科学者の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

世界で初めて「ビタミン」に分類される物質を発見したとされる日本人です。

1910年、米糠から抽出されたその物質は「オリザニン」と名づけられましたが、発表が日本語だったため世界に伝播することもなく、少し遅れて発表された「チアミン」という物質こそがビタミンB1であると認識されています。

オリザニンは脚気の治療に有効であると期待されましたが、当時の常識では脚気=伝染病のような扱いだったため、受け入れられませんでした。

ちなみに脚気というと、栄養状態の悪かった大昔の病気のイメージがありますが、現在での1日の総患者数は2,000人といわれる病気だそうです。

【参考動画】「先生のオリザニン」3分ver




ビタミンB1は、糖質の代謝に効果を発揮します。

豚肉などに豊富に含まれていますが、実は「インスタントラーメン」や「学級給食の御飯」など、意外なところで添加され、知らないうちに口に入っている可能性のある、いわば国家戦略で投与されているビタミンです。

また、ニンニクなど匂いの強い野菜に豊富な「アリシン」との合わせ技で、より効果が大きくなりますから、豚肉とキムチを炒め合わせた豚キムチ、ニラやニンニクがたっぷりの豚挽き肉餃子などが、夏のスタミナ食としてはおすすめです。

アレを1日1パックで主要量が賄えるビタミンK

ビタミンKというと、あまりおなじみでないかもしれません。

聞いたことがあるとすれば、骨粗鬆症の治療中の方か、出産経験のあるお母様などでしょうか。

ビタミンKは骨の強化に効果がありますが、妊婦さんが赤ちゃんを出産する際、狭い産道を通るために、骨が柔らかい方が都合がいいため、新生児はこのビタミンKが不足しています。

そこで、産後24時間以内にシロップの形で赤ちゃんに投与されることになっています。

母子手帳の出産の記録のところに、「ビタミンK投与」の書き込みやスタンプが入っているのではないでしょうか。

実はビタミンKは、50グラムの納豆を1日1パック(含有300マイクログラム)食べるだけで、1日の所要量(250~300同)が摂れてしまうのだといいます。

それだけでなく、納豆菌が腸内でビタミンKをさらに合成するといいますから、本当に働き者。

これを物語るように、「大腿骨頸部骨折」の発生比率は“西高東低”ですが、納豆消費の量別に染め分けた日本地図と併せてみると、面白いように、消費量の多い地域での発生比率は低く、少ない地域で高くなっています。

納豆がどうしても苦手だという方は、緑黄色野菜をたくさん摂るように心がけましょう。

まとめ

今回の番組ではC、B1、Kについて取り上げられました。

これからの季節なら日焼けに夏バテ、季節が進むと食欲が旺盛になり過ぎて肥満が心配、乾燥肌の予防、花粉症…といったように、季節ならではの体の悩みは、必ず何らかのビタミンがセットで話題になったりするものです。

まだまだ話題も好奇心も尽きない分野であり、新発見も期待されるところですから、ゆっくり静かに注目、というか「気にかけて」おきたいところです。