スウェーデンのカロリンスカ研究所(医科大学)が国内ゴルファー30万人をサンプルに調査したところ、ゴルフする人はしない人に比べ、40%も長生きであるという結果が出たそうです。

これを寿命に直すと、ゴルファーの方が大体5年ほど長生きということになるのですが、ハンディが少ない、つまりじょうずなゴルファーほど長生きという結果も得られているとのこと。

実際、「健康カプセル!ゲンキの時間」では、2014年3月30日放送でも、ゴルフ歴56年100歳の男性・中村さんの驚異の骨ゲンキぶりを紹介していました。

本日5月3日放送分では、さらにゴルフの運動効果を掘り下げ、飛距離が伸びて健康効果も高まる方法認知症予防にもなる脳トレ方法など、その魅力を紹介します。


  
スポンサーリンク

「ひねり」で体幹、「歩き」で下半身強化

筑波大学体育系教授で、多くのトップアスリートのトレーナーを務めた御経験もあるという白木仁(しらき・ひとし)先生によると、ゴルフの運動効果のポイントは、スイングのときに、体の軸ともいえる、いわゆる「体幹筋」と呼ばれる部分のうちの腹直筋、腹斜筋、脊柱起立筋という腰回りの筋肉が無駄なく効率的に使われていること、そしてプレー中の歩行によって下半身が鍛えられていることにあるといいます。

実際、ある調査によると、男性は1日平均7,000歩、女性は6,200歩歩いているのに対し、ゴルフの18ホールを回ることで13,000歩歩いている計算になるのだとか。

また、歩いているのもアスファルトやコンクリートではなく芝の上ということで、ひざへの負担を少な目にして歩行できるのもポイントが高いのでしょう。

筑波大学 体育専門学群 教員紹介のページ

 白木先生はゴルフの飛距離を伸ばすための方法として、「歩幅を1センチアップする歩き方」と「腰割りストレッチ」という準備運動を提案しています。

 歩幅1センチアップとは、かかとから着地、つま先から離れるという歩き方を意識的に行い、普段よりもほんの少し歩幅を大きくして歩くことです。

 腰割りストレッチのやり方は、こちらの動画がわかりやすいようです。

【動画】腰痛予防、下半身の疲労回復に!股関節ストレッチ 股割り




お相撲の「しこ」を連想させる脚の開き方で、ぐっとひねりを入れるこの動きは、普段使わない筋肉にかなり効きそう。

 この2つの運動の複合で、股関節の柔軟性が高まり、スイングをスムーズにする効果があります。

実際、歩幅1センチアップ歩行5分、ストレッチ1分を実行した3人のゴルフ愛好家さんが実験したところ、全員が飛距離アップに成功しました。

 ゴルフと切り離して考えても、下半身の血流をよくしてむくみを防いだり、腰痛を防止・改善したり、つまずいて転倒するといったトラブルを防止するなどいいことずくめ。

ゴルフをしない人にも大いに参考になる、日常的に手軽にできるエクササイズです。

ちなみにスタジオでは、「腰割りストレッチ」の動きの際に、腕を体の前で伸ばして手のひら同士を合わせたままひねりを入れるという「腰割りストレッチプラス」を試しました。

スポンサーリンク

ゴルフ脳で認知症予防

諏訪東京理科大学共通教育センター教授の篠原菊紀先生は、「ゴルフは脳トレスポーツ」だとおっしゃいます。

篠原先生のブログ 「はげひげ」の脳的メモ

篠原先生の著書(楽天ブックス)

脳の中でもゴルフのプレー中に使われるのは「前頭葉」といわれる脳の司令塔的な部分ですが、この活性化によって、認知症予防の効果があるといいます。

その秘密は「イメージトレーニング」にあり。

スイングをどのようにすれば、どのようにボールが飛ぶか、現在位置からカップまでの距離はどのくらいか、現在の風向き、芝の状態は……など、さまざまな情報を整理・分析することで、脳はフル回転します。

脳血流がわかる機械を装着して実験したところ、打ちっぱなしの1スイングだけでも前頭葉の血流がよくなっているのが顕著に表れていました。

 さらに、カップインがうまくいけば、「やった!」という満足感や達成感で、ドーパミンが分泌され、前頭葉や海馬の働きがよくなるという効果も期待できるようです。

 こういったゴルフによる脳トレも、日常生活の中で簡単に行える代替トレーニングがあるといいます。

それはなんと、

「丸めた紙をゴミ箱の中に放り投げる」

というもの。

 無精をしてコレをやろうとしてうまく入らずお母さんに怒られた、なんて経験は多くの人にあることでしょう。

「うまく入れるにはどうしたらいいか」を考えながら実際に動くことで脳が活性化されます。

 もう一つ、

「傘を手のひらに垂直に乗せてバランスをとる」

という、これまた日常生活ですぐにでも実行できそうな、しかも楽しそうな脳トレも紹介されていました。

これは集中力アップやストレス解消の効果が期待できるようです。

簡単ゴルフ脳トレ

 最後に、体幹を鍛える「ひねり」と脳トレを同時に行える楽しい「遊び」が紹介されました。

 2人でじゃんけんをするのですが、差し向かいではなく、1人はもう1人に対して背を向けて立ち、体を左右交互にひねりながら、自分の「後ろ」に立っている人とじゃんけんをします。

このとき、「必ず後出しで負ける」こと。

攻守交代はもちろんのこと、3人以上が集まったときに組み合わせを変えながらやれば、なかなか盛り上がりそうです。

まとめ

白木先生はしめくくりとして、「深酒や寝不足は脱水症状や心筋梗塞を引き起こすおそれがあるので、必ず体調を整えて、楽しくプレーしましょう」とおっしゃいました。

話題のダイエット商材などがあると、「この食品や器具だけでやせたわけではなく、個々人が日常生活に気をつけた結果の減量だった」として、「コレさえやっていれば大成功」的な売り方を批判されたり、時には法に触れるものとしてやり玉に上げられることがあります。

売り文句の是非はともかくとして、ダイエットを真剣に考え始めると、日常生活の中で少しでも歩いてみよう、間食は避けようという心理が働くのは当然のことです。

 ゴルフ自体の運動効果もさることながら、楽しく正しく運動するために健康に気を使い、それがさらに健康につながるなら万々歳というものです。