ゲンキの時間 中高年が悩む頻尿・尿漏れの原因と改善方法

人間、飲まず食わずでは生きていけませんが、同時に、飲食物にはつきものの「水分」が体に入れば、どうしても不要な水分を体の外に出さなければいけません。
いわゆる「尿(おしっこ)」です。
加齢とともに、「何だかいやな「残り方」をする」「時間がかかる」「トイレが近い」「大きな声では言えないけれど、くしゃみやお腹周りへの刺激で「モレ」が…」などなど、尿にまつわるトラブルや悩みの声をよく聞くようになります。
その人口、実に1,000万人とも言われていますから、密かにお悩みの方は、「私だけじゃない」とちょっと安心?かもしれませんね。
10月25日放送の「健康カプセル ゲンキの時間」は、そうした尿トラブルの原因や考えられる病気の対処・治療法についての特集でした。
特に男性は、特有のあの器官のがんについての話題もありますから必見(必読)です。
お話をうかがったのは…
日本大学医学部 板橋病院泌尿器科高橋悟先生
(※性格には「高」の字は「はしごだか」のほうです)
高橋悟先生のプロフィール
頻尿対策は「アレ断ち」「筋トレ」そして「我慢」

出典:http://blogs.yahoo.co.jp
まずはセルフチェック。
尿の勢いはどのくらいですか?そして、排尿に時間がかかってはいませんか?
毎秒15CC、排尿にかかる時間40秒以内というのを基準として考えてみましょう。
さすがに尿の速度までははかれませんが、出し切るのに時間がどのくらいかかっているか、ちょっと気にとめてみることが、健全尿ライフにとっては大切です。
まず、尿トラブルの1つ「頻尿」の定義は、1日8回以上と言われているそうです。
夜中も含めて3時間に1回以上ですから、1日6~7時間睡眠の人でも2回程度トイレに起きる計算になります。
これは確かに多いかも。
頻尿の原因は、男性の場合、前立腺肥大症、前立腺がない女性の場合は過活動膀胱が多いと言われています。
前者は器官の位置的に膀胱や尿道を圧迫してしまうことで起こり、女性の場合は、まだ尿が十分たまっていない状態で脳に尿意が伝達されてしまう神経系のトラブルのせいですが、どちらも軽いうちなら日常の生活習慣や筋トレでの改善も可能です。
前立腺肥大症は残尿の原因にもなるので、これは押さえておきたいところですね。
生活習慣の改善では、「利尿作用の高いアルコールとカフェインを断つこと」が大切です。
でも、カフェインの多い飲み物やアルコールは毎日の楽しみだし、リラクゼーションの役にも立っているし、それはそれで辛い…と思ったら、「就寝3時間前には避ける」のがいいのだとか。
もっとも、これを実行するためにも、毎日の就寝時間を一定させることも大切という解釈もできますね。
結局は「規則正しい生活」ということでしょうか。
それはそれとして、カフェインもアルコールも、摂り過ぎにはくれぐれもご注意を。
次に、「筋トレ」ですが、男性は尿道括約筋、女性は骨盤底筋を鍛えましょう。
どちらの方法は一緒。
「肛門を3秒締めて2秒緩める」を繰り返すだけです。
それも1日の間に合計5分間、意識して行うだけ。
何分割しても構いませんし、人知れずデスクワークや立ち仕事の間にもできてしまいます。
女性の「過活動膀胱」改善の補足としては、実は「我慢」もれっきとした治療法だといいます。
我慢、とだけ聞くと、体によろしくないことのような響きがありますが、要するに体の勘違いをちょっと抑えてあげるという感覚でしょうか。
尿意を感じても、最初は5分、慣れてきたら少し時間を延ばしてという感じで、トイレに行くのを控える、いわば「大人のオンナのトイレトレーニング」です。
もちろん我慢は手段であって目的ではないので、「さすがにそろそろ」となったら、きっちり排出してください。
万が一の尿漏れ対策なども考え、自宅など対応できる場所で行うのをおすすめします。
最近はあんまり大仰ではない尿漏れ対策グッズも充実しています。
心配な方は、心のお守りとして、こういうものを使うのも手では?
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無症状だから怖い「前立腺がん」
女性の場合、尿道が短い、出産後、閉経期に女性ホルモンの減少で尿道の支えがおぼつかなくなるなど、いずれも女性特有の体の造りに起因することが原因として考えられますが、男性は男性で、前述の前立腺肥大が心がかりです。実は「これ」という原因がわからない症状なのですが、肥満や生活習慣病を持っている方に出やすいという傾向があるようです。
やはり食生活、運動、睡眠などの日常生活に気を配ることが第一でしょう。
ただし、前立腺がん(悪性腫瘍)となると話は別です。
この病気自体での致死率はそう高いものではないといいますが、骨盤や背骨など骨への転移、ひいては骨を通して全身に転移という可能性があるので、侮れません。
しかも、特にこれといった症状がないまま進行するので、「気付いたときには手遅れ」の可能性も高いというのが恐ろしいところです。
10年後の2025年には、がん患者数が胃がんを抜いて1位になる可能性もささやかれています。
この前立腺がんも、やっぱりサインとなるのは尿トラブルです。
ちょっとでも心配な場合は、専門の泌尿器科で見てももらうことをおすすめします。
また、50歳ぐらいになったら、PSA(前立腺特異抗原)の検査を受けてみましょう。
最近では自治体の住民健診の中にこの項目を取り入れているところも増えています。
血液検査でできる上に、費用もせいぜい数千円単位程度(自費診療。自治体によっては無料の場合も)です。
まとめ
大切なことだけれど、「シモの問題」という気恥ずかしさもあり、知人との会話などで、そうそう頻繁に話題にしないのが排泄ですよね。逆にいえば、周囲に相談できる人がいない→専門家に相談という流れもとりやすいのでは?
心配な方は、「怖がらず、恥ずかしがらず」でいきましょう。