8月23日放送の「健康カプセル ゲンキの時間」では、現役ドクター100人へのアンケートから見えた「よいお医者さんの見分け方」が紹介されました。

体にいい食品や生活習慣などを指して「医者いらず」と呼ぶことがありますが、「現代」に生きている人間が、全くお医者さんのお世話にならずに生活することはほぼ不可能でしょう。

大抵のお医者さんは、きちんと診察し、ふさわしい薬を出したり、的確なアドバイスをしたりして、代金も妥当――だと信じたいところですが、残念ながら、世の中にはとんでもないお医者さんも存在します。

一時的に風邪を引いた、捻挫をした程度ならばともかく、場合によっては長いおつき合いになる可能性もあるお医者さんですから、できれば信用のおける名医にかかりたい。

でなくても、せめて「この人はちょっと…」という要素があれば避けたくなるのが人情というものです。


  
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よい医者を見つけるための必要条件とは?

やはり「紹介」「評判」

聴診器
出典:http://9-jo-m.jp/

お医者さんだって病気になることはあります。

その際、どんな人に診てもらいたいか?という設問に対しては、

「知り合いのドクターの紹介」
「MR(医薬情報担当者)から情報収集」
「周りのスタッフの評判」

という答えが一番多かったようです。

しかし、これはまさに現場ならではの意見であり、そうそう医療関係者の知人がいる人ばかりではありません。

注目ポイント「かかる前」

医療ジャーナリストの松井宏夫さんと大西正夫さんに伺いました。

松井さんのプロフィール

大西さんの紹介ページ(明治書院)

まず、病院に行く前に、ウェブサイトで近所の病院や、ちょっと遠方でも専門に診てくださる病院を探す人が多いのではないでしょうか。

その際注目したいのが、「症例数」と「常勤医師と非常勤医師の比率」です。

症例数の方は、殊に手術を伴う外科のような科の場合、「年間100例」が一つの目安とのこと。

圧倒的な情報量から探せる病院口コミ検索サイト

常勤・非常勤については、よく「何曜日だけドコソコの病院からいらっしゃる先生」というような話を聞くのではないでしょうか。

特に長いおつき合いになりそうな場合は、常勤の先生に診てもらった方が、トータルケアの点で安心ですから、非常勤に頼る比率の高い病院は、正直避けたいと思っても致し方ありません、よね。

また開業医の場合、規模の割に標榜科目が多いなあと思うところってありますよね。

どの科にかかったらいいかの判断がつきにくい場合、「いろいろ診てくれそう」なクリニックに目が向きがちですが、たくさんの標榜科目に対し、お医者さんが1人の場合は要注意です。

1人で1つか2つの専門、あるいは2人以上のお医者さんで多科目に対応している場合はある程度大丈夫というふうに目安を持っておきましょう。

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注目ポイント2「かかってから」

ドクターアンケートでは、

「患者の話をよく聞く」
「説明がわかりやすく丁寧」
「しっかりと患者」と向き合う」

といった声があがっていました。

身勝手で医者を翻弄する「モンスターペイシェント」といわれるトンデモ患者が話題になることがありますが、そこまでいかなくても、診察のとき開口一番、症状ではなく「風邪だと思うんですけど…」なんて口走ってしまい、「それは私が判断しますから」とお叱りを受けた経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

そんなときも、高圧的ではなく、「ご飯はどのくらい召し上がりました?」「よく眠れましたか?」などの質問で、患者の生活背景を窺うように話を聞いてくれるお医者さんがいます。

「人の話を聞く」というのは基本ですが、意外と難しいもの。

殊に専門家としての自負から、偏屈というわけでなくても、「患者が勝手に自己判断するのは許せない」という方は意外といらっしゃいます。

また、診察室に入ったときに、患者に背を向けたまま顔すら見ないお医者さんはちょっと…です。

顔色、目の色、歩く様子、表情など、具体的な診察の前にピンとくる材料はいくらでもあるはずですからね。

「説明」に関してですが、変わったところでは、「イラストがうまい医者は手術もうまい」という説があるようです。

例えば術前に具体的にイラストに描いて説明してくれることがありますが、そのイラストがうまいということは、手術をする部位についてのビジョンやイメージがしっかりしている証拠ですから、何となく納得できちゃいますね。

ほかにもこんなチェックポイント

【薬】少し強めの薬が処方されたとき、胃を荒らすおそれがあるので、「一緒に胃の薬を出しておきます」と言われることがよくあるでしょう。

でも胃薬って家庭の常備薬の定番でもあるので、それぞれ飲みつけているものがある場合も多いでしょう。

そんなとき、いつものんでいる胃薬があるかを確認し、そちらをのむことを勧めるような柔軟性のある先生は信用がおけるようです。

【勉強熱心】

医療の世界も日進月歩。

医師免許を取ったときのままの医療知識に固執して、進歩についていけない、学ぼうとしないお医者さんは、やはり避けたいところです。

多くの情報を取り入れ、ニーズに合った医療を提供してくれるお医者さんを選びましょう。

【在院日数】

「この病気・この手術の場合の入院日数は大体何日」という目安があり、ほぼ安定してそのとおりになっているお医者さんは、腕が安定している証拠です。

まとめ

できるだけいいお医者さんを選ぶとともに、自分自身もよい患者でいることが早期完治の近道になることもあります。

薬の飲み忘れをごまかしたり、こちらに落ち度があるのに理不尽に医者に責任をなすりつけるような真似は論外ですが、「この人は診察しやすい」と思わせる患者を目指してみましょう。

些細なことですが、症状の説明が的確でわかりやすい(いつから、どんな状態かなど)、そのときのんでいる薬を正しく伝える(おくすり手帳の携行なども役立ちます)といった程度の心がけで十分です。

口頭で自信がなければ、メモに箇条書きにしてもいいのではないでしょうか。

私ごとですが、好物の果物を食べて蕁麻疹が出たとき、これは一大事とメモ用紙3枚で症状・状況を説明したのですが、「一晩寝たら発疹が減ったみたいだし、きっと一時的だから大丈夫ですよー」と、メモは全く読んでももらえず――ということがありました。

実際薬をのんだらすぐにおさまったのですが、また同じ症状が出ても、あのクリニックはやめておうという気持ちになりました。

お医者さんといえども人間対人間のおつき合いですから、あまりにもテキトー感や軽んじられ感が強いと、萎えちゃいますよね。