「手のひらや足の裏がかゆい」「果物を食べると咽の奥が……」

とにかくかきむしる、市販の薬をつけてみる、食べるのを中止してみるなどなど、手を打ってはみるけれど、一向によくならなかったり、一時的にはよくなっても、すぐ別なトラブルに見舞われたり、なんてことになっていませんか?

5月6日放送の「ためしてガッテン!」は、何か皮膚トラブルに見舞われている方のための、意外な原因解明、対策などがテーマでした。

手足のかゆみの原因は水虫だけじゃない事や食べ物に含まれる意外なものなど新たな発見がありましたのでご紹介したいと思います。


  
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手足のかゆみ劇的解消 よい汗と豆料理

 足の裏や足指の股、手のひらなどがかゆくなったら、まずは「水虫」を疑うという方が多いのではないでしょうか。

割と一般的な皮膚トラブルですし、もし一緒に暮らしている人が水虫だったりすると「感染ったかな?」と想像がつくし、市販薬も数多く出ているので、病院に行くまでもなく治せそうな気もしてきます。

それに、女性だったりすると、何だか不潔だと思われそうで恥ずかしい、みたいな気持ち働いて、なかなか皮膚科で診てもらうに至らない人も多いかも。

 しかし、勇気を出して皮膚科で診てもらっても、「あなたは水虫ではありません」と診断されてしまう人が半分くらいはいるのだという事実。

これは一体、どういうことでしょうか。

 ある女性は、内側から湧き上がるようなかゆみに悩まされ、足の裏をボロボロになるまでかきむしってしまい、痛いほどだったのが、皮膚科のお医者さんの診断と、原因を突き止め、それを断つことで、2カ月でキレイに改善してしまったといいます。

 お医者さんの診断は、「異汗性湿疹(または汗疱[かんぽう]状湿疹、汗疱とも)」でした。

金属アレルギーを持った人の汗に金属が含まれて、それに反応して出たかゆみだといいます。

その金属の原因は、何と「お豆多目の朝ご飯」。

納豆、豆腐の味噌汁、大豆入りのひじきの炒り煮など、実に体によさそうなものばかりなのにもかかわらず、皮肉なことにその豆食こそがかゆみの原因だったのだといいます。

大豆には「コバルト」という金属がわずかですが含まれているといいます。

ちなみにコバルトは、ビタミンB12(シアノコバラミン)の分子の中心でもあり、1日の必要量はごく少ないながら、ほかでの代替が効かないものです。

足りなくなることで悪性貧血などのおそれもありますから、それなりに摂取意義を持った物質ではあるよう。

 ほかにも枝豆、あさり、アーモンド、チョコレート、くるみといった植物にも、クロム(極端に不足すると糖尿病の発症の可能性も)、ニッケル、コバルトなどの金属が比較的多く膨れているので、金属アレルギーの症状が出やすい人は注意が必要とのこと。

しかしそうでない人は、特に気にする必要はないということです。

 自分の金属アレルギー自体に気づいていないというケースもあるでしょうし、目安としては、1週間かゆみ止めの薬(市販)を塗ってもおさまらないという人は、皮膚科できちんと診てもらった方がよさそうです。

ちなみに食べ物以外でも、喫煙(つまりたばこ)が原因として考えられる人もいます。

 病院でのパッチテストには保険が適用され、5,000円程度の負担で診断してもらえます。

結果が陽性だった場合は、2週間ないし1カ月ほど、原因と思われる食べ物を断って様子を見、その後あえてその食物を摂取して因果関係をはっきりさせてみるべきとのことです。

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花粉による連鎖型果物アレルギー(番組公式名称?)

 正式には「口腔アレルギー症候群」。

一般に食物アレルギーといえば、甲殻類や卵などの蛋白質、その他そば、小麦粉などが思い浮かびますが、成人になってからあらわれる食物アレルギーの原因の5割弱は野菜・果物だという、ちょっと意外な事実があるとのこと。

しかも、ある日突然、食べたらかゆみが、腫れが……といった症状が出て、しかも年々「食べられないもの」が増えるという、実に厄介なことになってしまう人も大勢いるといいます。

のどがむず痒い、湿疹が出る、目が腫れる……といったあたりで既に困りものですが、胃の激痛に見舞われて救急車で搬送されたり、さらには命にかかわる事案すらあるといいます。

真犯人は実は野菜でも果物でもない

 毎年、春先になると悩まされる人も多いスギやヒノキの花粉症ですが、さらに微細に調べてみると、スギ花粉症の人の中には、ハンノキ、カモガヤ、ブタクサといったものに対するアレルギーのある人もいて、こちらがポイントだとか。

 番組で20人のスギ花粉症の方に対してプリックテスト(後述)を行ったところ、半数に当たる10人の人にハンノキ、さらに加えてカモガヤ、ブタクサに対するアレルギー反応が見られたという結果が出ました。

 花粉症のかゆみ、鼻の赤らみなどは、体の中の免疫細胞が、体内に入ってきた花粉をキャッチし、「反応」としてかゆみ物質を放出することで起こります。

ハンノキ等の植物の花粉の構造は、人間がよく口にする野菜や果物の花粉と構造が似ているため、体の中に摂り入れたときに免疫細胞が「勘違い」をするところからアレルギー反応が見られてしまうという、恐るべき原因がわかりました。

 例えばハンノキはリンゴ、モモ、ナシ、ビワなど、果肉が豊かで「ザ・果物」という感じのバラ科の植物の中に似たものが多いといいますから、果物好きの方は気になるところでしょう。

見やすい一覧表になったページを見つけました

 ちなみに、スギやヒノキの花粉症「だけ」の場合、トマトが比較的構造の似た花粉を持っているものの、発症例はほぼないとのことです。

プリックテスト
皮膚に直接原因物質をしみこませて反応を見る検査で、保険が適用され、調べる項目数などによっても異なりますが、3,000円前後でできます。

対策は
 花粉症自体が「去年までは平気だったのに」ということも多い症状です。

既に花粉アレルギーの症状が出ている方はもちろん、放置せずにしっかりと治療することで、アレルギーの連鎖を断ち切るしかないようです。

まとめ

 私自身は花粉のアレルギーは(今のところ)ないようですが、昨夏モモを食べて30分後ぐらいに手足が湿疹で真っ赤になり、片目が腫れるという症状が出ました。

週末だったので月曜日まで待って皮膚科を受診したのですが、状況を説明すると、特にテストもなく、「まあそういうこともありますよ」と抗アレルギー薬だけ出されておしまい、という感じでした(すぐ治りましたし、その後モモを食べても平気でした)。

よく食べる好物であればあるほどリスクが高いという側面もあるわけですから、あれはちょっとした修羅場だったと思います。

 何らかの皮膚トラブルに悩む方は、「素人判断でやり過ごさずに、とにかく専門家に診せてみませんか?」、ざっくり言えば、そんな感じの特集でした。

思えば当然のことなのですが、市販薬で何とかできそうだとか、今までこんなこと(アレルギー反応)なかったから「そんなはずはない」なんて思うと、意外とそこで思考停止してしまうことがあるのではないでしょうか。