腰は上半身と下半身をつなぐ大変重要な場所ですが、座り仕事の人の中に、体を反らすと痛いという人がいるかと思えば、前に屈むと痛いという人もいて、さらに「立ち仕事は腰に来る」という意見も無視できず、と、何かと痛みトラブルや悩みの多い部位でもあります。

11月15日の「健康カプセル ゲンキの時間」では、日本人の4人に1人が悩む国民病?!「腰痛」と題して、そんな腰痛について「腰痛のタイプ別改善法」などが紹介されました。


  
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痛みの引き金は違うのに原因は同じ「骨盤のゆがみ」

埼玉県立大学保健医療福祉学部の藤縄理先生は、人呼んで「ゴッドハンド」の持ち主です。

理学療法士として多くの本も執筆なさっている、腰痛持ちの人にとっては強い味方といえる方でしょう。

藤縄先生の著書

番組では、藤縄先生が農家の男性(体を反らすと痛い)とトラックドライバーの男性(前に屈むと痛い)のそれぞれのタイプを見きわめ、施術したところ、ほんの数十秒で痛みが改善されました。

この2人の男性は、痛みの引き金になる動作こそ正反対ですが、実はどちらも「骨盤のゆがみによって体のバランスが狂った」ことが腰痛の原因でした。

いずれも仕事中の姿勢が腰痛の原因になってしまったようです。

藤縄先生によると、こういう場合は、同じ動作の繰り返しでできてしまった「体の癖」を矯正することがポイントとのこと。

すぐ病院や治療院へ行ければいいのですが、ちょっと難しいという場合は、家で行えるストレッチでも改善効果が期待できるといいます。

反らすと痛い」という方は、あおむけに寝て膝を胸の前に持ってくるようにぐっと曲げるという動作を10回繰り返した後、うつぶせになって、無理のない範囲で状態を反らす動作を10回というのを1セットやってみましょう。

曲げると痛い」人は、逆に体をぐっと10回反らした後、膝を抱えて腰を伸ばすストレッチを、左右各10回ずつ行います。

立ち仕事で起こる痛みの原因

腰痛
出典:http://www.self-conditioning.com

立ちっ放しになりがちな仕事で腰が痛いという方も多いのではないでしょうか。

前述のように座ったままの作業が多いお二人とまた違い、原因として「背骨の椎間板の詰まり」が原因として考えられることが多いようですが、こちらも自宅でできるストレッチがあります。

脚を開いて座り、前かがみになる動作を10回行います。

左右にも同じような動作を1セット行うと、より効果があるといいます。

こうすることで、椎間板の詰まりを改善できるのだとか。

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リエゾン診療とは

福島県立医科大学附属病院では、腰痛治療の一環として「リエゾン診療」というものを行っています。

フランス語を勉強したことがある方などは、1つ目の単語の最後の文字と、2つ目の単語の最初の文字を連結して発音するときに「リエゾンする」という言い回しを聞いたことがあるでしょう。

つまり「つなぎ」「連携」のことです。

この場合、同病院の整形外科と心身医療科(心療・精神系の科目のようです)の連携による腰痛治療をこのように呼んでいます。

ここでの治療では、日記をつけてカウンセリングを受ける、心身医療科での投薬など、ちょっと聞きには腰痛とどう関係があるの?という治療が施されますが、実はストレスなどの心理的な負担は腰痛にとっても大敵だということです。

というのも、脳には「側坐核」という部分があり、体が受けた刺激・痛みを軽減させる働きがありますが、ストレスがかかることにより、その働きが鈍り、実際よりも強い痛みを感じてしまうこともあるのだとか。

原因がわからない痛みや腰痛の慢性化を防ぐためには、悩みやストレスを緩和させることも大事なのです。

福島県立医科大学医学部附属病院整形外科「当科で実施している特別な治療

仕事上での動作が大きな原因であるとわかる人が多い反面、実は腰痛の85%は原因がはっきりしないとも言われているとのこと。

程度の軽重はあっても、現代社会においてストレスを全く感じないという人はまずいないでしょう。

こうなると、腰痛自体が悩みやストレスの原因になって、そのストレスがまた腰痛に…という悪循環スパイラルにも陥りかねませんよね。

こんなときは、

いすに腰掛けて、脚を肩幅に開き、息を吐きながら前屈するのを5秒、

その後、

やはり息を吐きながら体を反らすというのを5秒…を3セット、

合計30秒行う簡単ストレッチがおすすめです。

痛みが気になって動くのをためらい、運動不足が腰痛につながる可能性もありますから、「腰が痛い――ような気がする」という思い込みで体が固まってしまっては元も子もありません。

こストレッチで開放感や快適感を得て、腰の痛みが軽減されることをお祈りします。

まとめ

腰痛はさまざまなものによろしくないとは漠然とわかっていたものの、まさか腰痛までもとは。

といっても、さすがにこれは我慢ができないというレベルの腰痛に連続・慢性的にお悩みの方には、やはり専門家に診てもらうことをお勧めします。

まずはご近所で評判のいい治療院を探すところからなどいかがでしょうか。