あちこちで初雪情報が上がり,徐々に寒く,冬らしくなってきました。

この季節,肩や腰の痛みに悩む方も多いかと思います。

痛みの原因は「冷え?」「身を縮めて凝り固まっちゃっている?」「運動不足?」「厚着(重くて分厚い洋服の負担)?」などなど,何となく決めつけ,対症療法的にマッサージや湿布をしたり,お風呂に入ったりという対策も立てる人も少なくないでしょう。

11月29日の「健康カプセル ゲンキの時間」では,「筋膜」というものにスポットを当て,肩こり・腰ハリが数十秒で改善する筋膜リリースというストレッチのやり方を紹介していました。

どちらかというと耳慣れない言葉かもしれませんが,その性質や役割を知れば,悩ましい肩や腰の痛みも解消できるといいますから,興味がわきます。


  
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筋膜は「医学界のシンデレラ」

筋膜
出典:http://bodymakingtips.com

筋膜というのは,ボディスーツや全身タイツのごとく,人間の体全体を包んでいるネット状の組織で,「第二の骨格」ともいえるものだとか。

首都大学東京の竹井仁先生によると,例えるなら「医学界のシンデレラ」だそうです。

過去には全く注目されることもなかったものですが,研究の結果,俄然スポットが当たったからというたとえのようですが,注目されていない間も,ヒトの体の動きに合わせてこき使われていたようなイメージがわきやすく,ちょっと面白いたとえですね。

竹井仁先生の著書

腕,肩,背中,腰といった部位の痛みは,この筋膜の「ひきつれ」が引き起こしていると考えるとわかりやすいようです。

スポーツ,仕事の中でのアクション,果てはちょっとした生活習慣の中で,左右のどちらかだけに偏って使ってしまったりすることで,姿勢が崩れたり,体のフォームにずれが起こり,筋膜の「ひきつれ」につながってしまいます。

例えばトートバッグを肩にかけたり,脚を組んだりというちょっとした習慣も,左右満遍なく使って行うように意識するなどで,痛みの悪化を阻止したり,改善が期待できたりします。

また,人間の体がこの筋膜でつながっているということは…体のどこかの不調が,顔の表情にまで影響を及ぼすことがあるといいます。

若々しく表情豊かになるか,表情が乏しく,どこか老けた印象を与える顔になるかも筋膜のコンディション次第。これは特に女性は無関心ではいられませんよね。

こり・ハリがスッキリ!筋膜リリースのやり方

筋膜のコンディションを整えるには,何といっても「ほぐす」こと。

本来は心得のある専門家の方にマッサージなどで圧をかけてもらうのがおすすめですが,比較的簡単なセルフトレーニングでも可能です。

本格的な筋トレを実施している方にとっては,トレーニング専用ツールや方法もおなじみでしょうが,そこまでしゃっちょこばらなくても,リラックスできる体操として覚えておくと便利でしょう。

腰の高さぐらいのテーブルや机の前に立って体操します。

それぞれの症状に合った筋膜リリースの方法をご紹介します。

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背中が痛い方

1,肩幅に足を開きます。

1-1

2,机の上を腕を滑らせるように伏せます。

1-2

このとき,腰が90度をキープできていることがポイントです。

30秒を3セットほど行うのがおすすめです。

肩こりの方

1,左足を前に出して,右手をテーブルにつきます。

2-1

2,左腕を天井に向かって伸ばして15秒キープ。

2-2

このとき,後ろ足の膝が曲がらないように注意しましょう。

3,上げているほうの顔と体をひねり,気持ちよく感じられるところで15秒キープ

2-3

4,そのままの姿勢で右ひじをテーブルにつけて15秒キープ。

2-4

これを左右3セットずつ。

慣れてきたら秒数を徐々に増やしてみましょう。

若々しい表情のために

1,いすなどに腰掛けて,両手を伸ばして肩の高さに上げ,肩甲骨を押し出すように意識して,10秒キープします。

3-1

2,肩甲骨を後ろに引き付けるように,ひじはL字に曲げて10秒

3-2

3,両手を直角に挙げて10秒

3-3

4,目と口をカッと大きく見開いて,5秒キープ

3-4

5,腕を前に倒して,目と口を顔の中心に集めるように5秒キープ

3-5

3セット行います。

テーブルがない場所での体操

1,右手を頭,左手を背中の後ろに回して,30秒。
ひじを90度に曲げ,両手を反時計回りにして30秒。

4-1

2,右足を左足の前で交差して,体を左に倒して30秒

4-2

これをそれぞれ3セット。

まとめ

どのトレーニングも「3セット」が基本ですが,特に痛みトラブルを抱えている部位などは,見た目よりも「キツイ」「痛い」と感じるようです。

続けてでなくても,例えばそれぞれ朝・昼・晩の食事前の習慣にするのでもOKだとか。

「筋膜をほぐす・のばす・ならす」といったことを「意識的に」行うことが大切です。