8月30日の「健康カプセル ゲンキの時間」では、むくみが病気の前兆になる例や、むくみをスッキリ解消するための体操などが紹介されました。

立ち仕事やずっと同じ姿勢のデスクワークを続けていると生じる足のむくみ、ちょっとお酒を飲み過ぎた翌日の顔のむくみなど、美容の点で悩みの種ですし、不快感もありますが、自己流のマッサージをしたり、時間が経ったりするとおさまってしまうので、あんまり重視していない――という方も多いかもしれませんね。

むくみは静脈やリンパの流れが悪くなって、毛細血管から水が滲みだして起こるもので、大抵は一時的な生理現象ですが、実は怖い病気のサインになることもあり得ます。

今回はむくみに潜む3つの病気と足・顔のむくみを解消する体操をご紹介します。


  
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足のむくみと“筋ポンプ”

むくみ
出典:http://www.zenyaku.co.jp

体の中で最もむくみやすいのは、やはり重力の影響を受けやすい下半身、つまり足です。

4人の人が2時間、全く足を動かさない状態をキープし、どの程度足がむくんだかをはかってみると(水がたっぷりの水槽に足を浸して体積変化を見る方法)、個人差はあるものの、全員に「むくんだ」と思われる体積の増加が確認されました。

同じ姿勢でも差が出る原因は、ふくらはぎの筋肉部分の収縮度合いが違うから。

つまり、この部分の筋肉が発達している人は、自然に「筋ポンプ」が発動し、静脈を圧迫して血液の流れを加速させてくれるため、むくみにくくなっているようです。

また、塩分の摂り過ぎでむくみが出るのを実感する人も多いのではないでしょうか。

これは、血中の塩分濃度を一定にするために血液量が増加するため、それがむくみにつながってしまうようです。

自覚症状があるほどのむくみに悩んでいる方は、運動習慣を身につけたり、塩分を控え目にしたりすることが大切です。

また、特に日常的にヒールの高い靴を履く女性は、そのままふくらはぎの位置が固定され、動かしにくい状態になっていますから、事情が許すときはフラットな靴を履く、脱いで爪先立ちをする、意識的にふくらはぎを動かすなどの工夫をしてみてもいいでしょう。

むくみに潜む3つの怖い病気とは

ただの生理現象にとどまらない、病気の前兆ともいえるむくみは、むくみ以外にも何かしらの症状が出るようです。

1、下肢静脈瘤

足が腫れ、ひどくすると変色や痛みを伴うこともある病気です。

原因は、血液の逆流を防ぐ弁が破壊され、逆流してしまうためとのこと。

立ち仕事の方、家族に病歴がある方、妊娠と出産の経験がある方がなりやすい傾向がにあります。

マッサージや着圧ストッキングで改善できる軽度のものだけでなく、手術や特別な治療が必要な状態にまで悪化することもありますから、この疑いがある場合は早目に診てもらいましょう。

一時的なむくみにとどまらず、慢性的な足の「だる重い」感じを覚える方は要注意です。

【参考】着圧ソックス

もともと下肢静脈瘤の治療に使う医療器具だったソックスですが、現在は美容グッズとしても広く市販されています(メンズ用品もあり)。

病気を疑われる場合は病院で診てもらうべきですが、ちょっとしたむくみの解消や美容に気を使う方なら、こちらをどうぞ。

2、腎不全

腎臓が働かなくなり、体内の水分・塩分の調節ができなくなっている状態です。

足のむくみに加えて、体重が急に増えた、尿が泡立つようになったなどの症状が出たら、腎不全の可能性も視野に入れ、すぐお医者さんに相談してみましょう。

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3、心臓病

心臓の働きが悪くなると肺にもむくみが生じるため、咳が出やすくなります。

むくみと咳に同時に悩むようになったら、さまざまな心臓病の可能性もあります。

病的なむくみと生理的なむくみの決定的な違い

足のすね部分の骨の内側を、3本の指でぐいっと5秒指圧してみましょう。

このとき、いつまでもへこみが戻らない場合は要注意です。

また、生理的なむくみの場合は、体液が特定の場所に一時的にあつまって起こるので、体液量自体に変化はありませんが、病気の疑いがあるむくみの場合は、体液量そのものが増加しているため、おのずと体重も増加します。

神経質にならない程度に体重の把握をしておきましょう。

2分で解消!むくみスッキリ体操

首都大学東京の竹井仁先生によると、「むくんだ局部だけをマッサージしても効果はありません」とのこと。

体全体の筋肉を動かして、スッキリむくみをとりましょう。

基本の全身体操(ウォーミングアップ)

1、いすに腰掛けて、両手足を開いて上半身を反らし、15秒その姿勢をキープします。

2、その後、体を丸めるように手足を閉じて、15秒そのままの姿勢を保ちます。

この1、2の動きを2セット繰り返します。

【足の場合】

1、片方の足を5秒、体の引き寄せるようにぐいっと持ち上げます。

これを左右10回ずつ繰り返してください。

この際、つま先を上向きにすると、血液とリンパの流れがスムーズになります。

2、腰かけている椅子よりも低い椅子やオットマンなどに足を置いて、両手両足の指を「グッ、パッ」の要領で開閉します。

手は心臓の高さに保つのがポイントです。

【顔の場合】

1、親指以外の4本の指を使い、目の下、まゆの下の順で、顔の内側から外側に押し流すイメージでマッサージします。

2、1の流れで頬から首筋の前まで指を流し、鎖骨のくぼみをゆっくり押してほぐします。

3、目と口をカッと大きく見開いて、そのまま5秒キープします。

4、3の後、顔のパーツを全部中央に集中させるようなイメージで顔をクシャッとさせ、このまま5秒キープします。

まとめ

以前、全く別な番組でむくみと甲状腺の病気の関係を特集していたときは、「指跡がつかないむくみに御用心」という目安がありました。

危険な足のむくみの見分け方と改善方法!

つまり、いつまでもしつこく残るくぼみにも、くぼまないほどのむくみ(というより腫れ?)にも要注意ということですよね。

「こうなったらこう」という絶対的な公式に当てはめるのではなく、いろいろな角度から自分の体を観察するための目安として、“むくみ”をもっと重視してみませんか。