バテがちな夏は、スタミナたっぷりのものが食べたくなります。

代表的な食材といえばニンニクですが、ニンニクといえば気になるのは、やっぱりあの独特のにおい

食べたい、でも匂う(でも食べちゃう)のパターンではないでしょうか。

しっかり歯を磨いても、シャワーを朝晩2回浴びても、前日食べたのがバレバレということもしばしばあります。

6月14日の「健康カプセル! ゲンキの時間」では、そんなニンニクの臭い(外からの匂い)対策に加え、病気のサインとして見逃せない体臭(内からの匂い)について取り上げられていました。


  
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ニンニクの実力と弱点?

ニンニク
出典:https://www.kenkoukazoku.co.jp

ニンニクには「アリシン」という成分が含まれており、これはビタミンB1と結合して糖質を分解してくれる働きがあります。

これにより、血圧の低下、血栓予防からがん予防まで、たくさんのすばらしい効果が期待できるというわけです。

しかし、口臭対策のプロフェッショナル、歯科医師の中城基雄さんによると、この「アリシン」こそがニオイのもとなんだそうです。

つまり、アリシンという物質の性質をよく知れば、ニンニクの臭いを消したり抑えたりできるのでは?ということですね。

中城歯科医院 院長 中城基雄さん

実験・ニオイ消しに最も効果があるのはドレ?

ニンニクたっぷりのガーリックトーストを6人の男性に食べてもらい、直後の口のにおい、何時間後にはそのにおいがどうなっているかといった経過を観察しました。

ニオイの判定をしたのは、臭気判定士の臭気判定士の石川英一さんの協力を得て、さんです。

石川英一さん

6人とも、食べた直後は、食べる前と比較して、かなり臭気レベルが上がりました。

そしてその後、人によって差はありつつも、2時間後、4時間の2回に臭気レベルにピークがあり、完全に気にならないレベルになるのは10時間以上先ということです。

臭気を数値化した機器も使いますが、やはり石川さんの嗅覚が冴えます。

ある被験者さんの「4時間後」の呼気は、「ニンニクとは違う、アルコールのような刺激臭」とのこと。

これは、アリシンが腸まで届いて生じる新たな匂いが血液とともに……ということだとか。

なるほど、これではオーラルケアやシャワーではどうにもなりませんよね。

ニンニクの臭い対策は人によってさまざまですが、「牛乳を飲む」「リンゴを食べる(リンゴジュースを飲む)」といった方法はよく言われています。

臭い対策に効果があると言われる飲食物の成分は、ポリフェノール、タンパク質(乳製品など)、食物繊維、クエン酸、カテキンなど。

「牛乳」「リンゴ」「酢昆布」の3種類をガーリックトーストを食べた後に摂り、呼気の変化を見た結果、安定して効果があったのは「リンゴ」でした。

りんご

牛乳は一度臭気が上昇する様子が見られ、酢昆布は持続力がもうひとつ、といった結果です。

ニンニクのきつい料理を食べる前に「牛乳」を飲み、食後のデザートがわりに「リンゴ」というのがおすすめだそうです。

ニンニクとベストマッチの焼肉やラーメンは塩分の摂取も多くなりがちなので、ナトリウム分の排出という意味でも、カリウムが豊富なリンゴはお勧めではないでしょうか。

また、唾液の量やもともとの代謝でもにおいの分解が変わってくるので、唾液量を増やすためにガムをかんだり、顎の下にある2カ所のツボ「顎下腺」を指圧したり、日常的に運動を心掛けることも効果があるようですよ。

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要注意・こんな体臭&口臭

体や口のにおいで、その人がどんな病気にかかっているのかがわかる場合があるといいます。

例えば、甘酸っぱいにおいは糖尿病のサイン。

インシュリン不足によって生じたケトン体の匂いが、果物とはまた違う、独特の「甘酸っぱさ」になるといいます。

ほかにも、

腐敗臭→皮膚がん(皮膚細胞の死滅したにおい)、
アンモニアのような口臭→肝硬変(肝機能の低下でアンモニア解毒ができていない)、
腐った玉ねぎの匂い→大腸がん

など、サインはいろいろ。

もちろん、外的な要因(たまたま触った、衣類についているなど)匂いだけがすべてではありませんが、心配な方は、すぐにとりあえずかかりつけのお医者さんに相談してみましょう。

上記の中でも、口からアンモニア臭というのは、よっぽど特殊な食べ物(例えばホンオフェとか?)を食べるのでもないかぎり考えにくい症状だと思います。

口腔系のお医者さん(だけ)でなく、内科系の病院に行ってみましょう。

病気による匂いの変化に気づくためには、健康体のときの自分の基本的な体臭をチェックし、覚えておくことも肝心です。

1日着た服をビニール袋に入れて、そのニオイをかいでみるというような方法でチェックしてみましょう。

また、家族の変化に気づいたときは、幾ら身内とはいえ「あんた臭いよ…」とはなかなか言いづらいかもしれませんが(こういう場合、どんなにオブラートに包んだ言い方をしても、「臭い」と言ったとみなされると思った方がいいでしょう)、貶す意図ではなく、体の異変を気にしているのだという気持ちを、勇気を持って誠実に伝えてください。

まとめ

このニオイ=この病気と単純化することは危険かもしれませんが、「目安」として覚えておいて損はありません。

明らかな匂いの異変には、やはり注意すべきでしょう。