夏といえば、強い日差し、そして紫外線

5月24日放送の「健康カプセル ゲンキの時間」では、紫外線の恐るべきパワーと紫外線対策について紹介していました。

日焼け、ひいては肌のシミ、しわ、たるみなどの原因になることはよく知られているせいか、女性は気にしている人が多いようですが、ある調べによると、男性で「気になる」と回答した人は17%しかいませんでした。

しかし、実は紫外線をそういった美容の観点だけから見るのはとっても危険なのです。


  
スポンサーリンク

やっぱり気になる、肌への影響

逓信病院皮膚科の江藤隆史先生に伺いました。

一見、少しだけシミ・そばかすがあるかな?という程度の色白の女性の写真。

同じ女性を特殊なカメラで撮影した写真をみると、「隠れジミ」といわれる無数の点があらわれました。

隠れジミ
出典:http://image.edita.jp

これらは今は表面的には見えませんが、将来的にはシミとして顕在化するおそれがあるものだとか。

こういった隠れジミの原因になっているのが紫外線です。

紫外線を浴びることで、表皮の最も下の部分の細胞「メラノサイト」が活性化します。

これかいわゆるメラニン色素となって肌を黒くする原因ですが、普通は一定の期間で生成がとまり、はがれ落ちてしまいます。

しかし、紫外線を「浴び続ける」ことで、メラノサイトが異常を起こし、メラニンが大量に分泌されてしまうため、結果として「シミ」になってしまうのだとか。

ちなみにしわ、たるみの原因となってしまうのは、コラーゲンを生成する機能が落ち、肌の「真皮」という層の内部構造が壊れてしまうためです。

これらは悪化すれば皮膚がんの原因にもなるものですから、心にとめておきたいところですね。

老化には、ごく普通の加齢による老化のほかに、「光老化」と呼ばれるものがあるそうです。

よく「首に出る年齢は隠せない」といわれるのは、まさにこの光老化のせい。

顔は日焼け止めや化粧などと気配りがされますが、意外と首はおろそかになっているという方も多いのでは?

若い方でも油断大敵の「老化」ですので、日焼け止めを塗るときに首も忘れずに塗る、ローションなどでお手入れをする、ストールを巻くなどで、首の皮膚もいたわってあげましょう。

夏の疲れの原因は「暑さ」だけではない?紫外線による「疲労」

関西福祉科学大学の倉恒弘彦先生のお話です。

紫外線には体に活力を与えるというパワーもある反面、細胞や遺伝子を傷つけてしまう側面があります。

この傷を修復するために、知らず知らずに体力を消費してしまうというのが「紫外線による疲労」の正体のようです。

気温24.6度の晴天の中で、3人の男性が日なたと日陰でそれぞれ1時間すごし、30分ごとに疲労の度合いを見るという実験をしました。

交感神経と副交感神経のバランスから数値化した数値化のほかに、疲労感、熱感、ストレスなどの9つの自覚症状(0~100で自己判定)についても調べてみたところ、日陰(テントの中)では大変安定しており、むしろ1時間後には疲労の自覚症状も0になっているという項目があったほどですが、日なたでの実験では、数値も自覚症状も急上昇しました。

気温を考えても、「暑さでバテる」というほどではないのは窺われますが、皆さんあからさまな疲れを訴えました。

これは「紫外線のカットされる夜のジョギング30分」による軽い疲労をぐっと上回るという結果になりました。

日焼け止め、パラソル、帽子など、およそ「紫外線」対策といわれるものは、実はこの疲労感の防止のためにも役立つのですが、意外とおろそかになっているのが「目」ではないでしょうか。

まぶしい日差しから目を守るという発想でサングラスをかける人はいますが、これで紫外線も防げているわけではありません(この点については後述)。

目から紫外線が入ることで、白内障の原因にもなりますから、配慮が必要です。

事に、照射される角度の関係で目に直接紫外線が入ってきやすい「午前9時ごろ」、あるいは「午後2~3時」ごろは要注意です。

スポンサーリンク

おすすめの紫外線対策グッズ 購入のポイント

紫外線は晴れの日を100%とした場合、曇りの日は60%、雨の日も30%降り注いでいるといいます。

紫外線照射のピークである5月から7、8月ごろは、たとえ曇りや雨の日でも、日焼け止めを塗るのを習慣化するといいかもしれません。

そういった日焼け止めを2、3時間おきに塗り直したり、場所による反射(水場や砂浜は高目、草地、アスファルトなどの場所では比較的低目など)度合いを考慮したりするのに加え、グッズ選びも大切です。

よしき皮膚科クリニックの吉木伸子先生のアドバイスで、日傘やサングラスを選んでみました。

日傘

近年は「日傘男子」と呼ばれる愛好家の男性も出現しており、男性でも使いやすい日傘がたくさん売り出されています。

そういったものは大き目・シンプルなデザインで、女性にもおすすめ。

色は傘の内側での反射が起きにくい黒(できれば断熱)、そしてUVカット率の高いものがいいでしょう。

カット効果は使っているうちに劣化してきますので、1、2年ごとの買い替えが望ましいようです。

現在出回っている商品を調べたところ、「外側は白いけれど、内側は黒い」というタイプもあるようです。

これなどは、内側での照り返しを防げる上に、見た目も涼しげでいいのではないでしょうか。

大きさも十分でお値段もリーズナブル。

男性にも女性にもおすすめです。

帽子

つば広で顔を守ってくれるものがグッドです。

ただ、首の日やけまでカバーし切れるものとなると、ホロセンで売っている農作業やガーデニング用の、こういう感じの商品になってしまいます。

UV対策
出典:http://thumbnail.image.rakuten.co.jp

アウトドアアクティビティで使えるものもありますが、いずれにしてもタウンユースとしてはちょっと抵抗があるのではないでしょうか。

となると、帽子+ストールといった組み合わせがおすすめ。

熱中症の予防にもなります。

サングラス

どうしても色の濃い、黒っぽいものを選んでしまいがちではないかと思いますが、色が濃いと、目とサングラスの間の光がさえぎられて暗くなり、その結果開いた瞳孔が紫外線をキャッチ……という、皮肉な結果になってしまいます。

これも「UVカット率」を基準に選ぶとよいでしょう。

つまり、ほぼ無色に見えるようなものでも、UVカット率が高ければ安心ということです。

また、隙間から入ってくる紫外線をできるだけ防ぐため、顔を覆うタイプのものがおすすめです。

紫外線カット率の高い色

洋服や小物を選ぶとき、反射の心配がない黒は、熱を吸収してしまう性質がありますし、見た目が暑苦しくなりがち。

しかし、いかにも涼しげな白は、反射が心配。

一体何色を着る(使う)のが正解なの?と悩ましいところですが、赤、青、黄色のいわゆる「色の三原色」を比較してみると、最もUVカット率が高いのは「黄色(96%)」とのこと。

次いで青(91%)、赤(90%)という結果でした。夏の陽のもとでは、こういった原色系は映えそうですね。中でも黄色がおすすめということです。

まとめ

日焼け止めはまめに塗り直すのは、汗で崩れてしまったり、汗と一緒に拭き取ってしまうことで効果が落ちることを考慮してです。

逆にいうと、つけたものがそのまま肌に残っている可能性もあるわけです。

つけ残りが肌を荒らす原因になることもありますから、1日の終わりに、きちんとクレンジングやシャワーなどで洗い流すことが大切です。

また、気を付けていても日焼けしてしまった場合のアフターケアも大切です。

真っ赤になってひりつくような場合は、皮膚科で相談しましょう。