塩化ナトリウム、いわゆる「食塩」は、どんなご家庭にも必ずある調味料でしょう。

それも、安価でコンビニでも買えるようなものしかないというご家庭から、さまざまな種類の商品を取りそろえて使い分けしているおうちまで、さまざまですよね。

高血圧と、そこに起因するさまざまな病気のリスクがよく知られているため、最近、さらに摂取量の基準が厳しくなったりもしていますが、お塩自体は、体液の浸透圧の維持、神経の刺激伝達、筋肉の伸縮、栄養の吸収と、体にとって大切な働きがたくさんあるので、「摂り過ぎも摂らな過ぎも禁物」というのが厄介なところです。

4月17日放送の「健康カプセル ゲンキの時間」では、そんな塩とのうまい付き合い方の数々が紹介されました。

ちょっとした工夫でおいしい減塩生活を送りたいという方は必見(必読)です。

塩屋まーすやー

沖縄発の塩専門のお店「まーすやー」や、ホームの沖縄連内はもちろんのこと、東京(麻布十番、東京ソラマチ)、大阪(なんばパークス)、横浜にも出店中。

世界じゅうの珍しい食塩も手に入るので、ほかの地方の方も、お近くへの観光の際にお土産候補としていかがでしょう。

http://www.ma-suya.net/

一口に塩といっても、海水塩(にがりたっぷり)、岩塩(ミネラル豊富)、そしてちょっとレアな湖塩の3つに分かれます。

湖塩がとれるのは、南米ボリビアのウユニ塩湖、アラビア半島北西部の死海など。

そういえば、死海の塩は美容分野で大変注目されていますし、日本でも話題になったことがありましたね。

死海
出典:http://www.zekkei.info

実際には湖ではなく、塩の大地という風情で、「塩原(えんげん)」と呼ばれることも。

ウユニ
出典:https://trippiece-dev.s3.amazonaws.com

「まーすやー」の人気商品の1つで、沖縄・宮古島の「雪塩」というものがあります。

ふわっとパウダーのような質感で、高血圧などの原因となるナトリウム成分以外のミネラル分が豊富なことと、ミネラルの1つ「カリウム」が、ナトリウムの排出を助けてくれることとで、効果的に減塩できる、大変嬉しい商品です。

他にも3種の塩がブレンドされたおにぎり専用の

おにぎりの塩 40グラム 380円など

塩むすびのシンプルで奥深いおいしさに目覚めるかも。

オンラインショップ

なぜ塩の摂り過ぎで高血圧になるの?

塩と血圧の関係はあまりにも常識として広く言われているので、メカニズムまでは知らなかった・考えたことがなかったという方も多いのではないでしょうか。

簡単にいうと、塩分の浸透圧の働きで血管内に水分が引き寄せられてしまい、その水分のせいで増えた血液が血管壁を圧迫する――これが「高血圧」の正体です。

血圧の数値は気にしたことがない若い女性でも、塩の摂り過ぎで脚がむくんで、なんてことはよく経験するでしょう。

この繰り返しで血管がくたびれてしまうと、動脈硬化、そこから心筋梗塞・脳卒中という死に至る可能性の高い病気も引き起こされます。

また、塩分の摂り過ぎは胃にダメージを与え、そこから発がん性物質の影響を受けやすくなったことが原因で「胃がん」になったり、脳血管の動脈硬化が原因で認知症になったりする可能性もあるとのことですから、摂り過ぎにはくれぐれも注意したいところです。

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みずからの食生活を見直してみる

もともと塩で調味されている漬物にも醤油をかけたり、何にでも調味料をかけて食べる方、濃い味が好きという自覚のある方は、「大丈夫かな?」と思い当たることも多いと思いますが、自覚のないまま多くの塩を摂ってしまっている可能性もあることをご存じでしょうか。

例えばかまぼこ、ハムなど。

極端に味の濃い食べ物ではありませんから、召し上がる際に塩こしょう、しょうゆなどをかけてしまうことも多いでしょう。

でも、つくられる過程で結構な量の塩が、調味だけではなく食感(弾力)を出す目的でも使われています。

これが「隠れ塩分」として、思わぬ摂取過多の原因になっている可能性もありますので、食べるときにはとりあえず、ちょっと「意識」することが必要です。

自分の摂取量を知る1つの目安として、外で食事をしてみてください。

味が濃いと感じる人は、薄味に舌が慣れている証拠ですから、適正量で抑えられている可能性が高いのですが、「おいしい」「ちょうどよい」と感じた人は要注意とのことです。

また、一般的な和食中心の食生活の場合、最も塩分に注意したいメニュー「味噌汁」。

自治体主催の「健康まつり」的なイベントで、「ふだん飲んでいる味噌汁の塩分はかってもらえるえることがありますし、家庭で使える計器も市販されているので、気になる方は使ってみてはいかがでしょう?

味と栄養の専門家に倣う減塩

焼き鳥といえば大変庶民的なイメージの強い食べ物ですが、2010年、ミシュランで1つ星を獲得して話題になった「バードランド銀座」は、その焼き鳥専門店です。

きめ細かく、さらさらと食材になじみやすい塩を下味に、粗目の塩を料理として出す直前のアクセントに使うという「使い分け」で、しっかりした味わいながら使う塩は控えめに、という調理を実現しているそうです。

濃い味好きのお客様から「もう少し塩辛く」というリクエストもあるようですが、そういうときは、一口目に当たる先端部分だけ心持ち多めに塩を振るのとか。

これは一般家庭で何か食べるときにも応用できる方法で、例えば切り分けたトンカツの1片に少しソースを多目にし、ここを一口目として食べ進めることで、しっかり味わうことができます。

減塩といっても、むやみに塩抜きして、食べて味気ない、おいしくないと感じるのはむしろ精神衛生上マイナス。

こういったことから少しずつ始めるのが賢いやり方でしょう。

Bird Land Ginza のブログ

減塩水で調理

料理家で栄養士の小田真規子さんのおすすめは、自家製の「減塩水」を使った調理法です。

例えば豚汁をつくるときは、2%濃度の減塩水(水400に対して小さじ1)をつくり、具材をごま油で炒め、味付けに大さじ3杯分の減塩水を使って、水分を飛ばすようにさらに炒めます。

こうすることで、減塩水の中の塩をしっかり定着させてくれるとのこと。

汁分は400CCの水に対して小さじ2杯という控えめのお味噌で仕立ててください。

召し上がる際に刻んだねぎや七味をアクセントとしてかけることで、さらによい味わいに。

塩分控えめながら、満足度の高い豚汁の出来上がりです。

炒め物や揚げ物の下味をつける場合は、ちょっと高めの12%濃度の減塩水を使うのがおすすめ。衛生上、作ったものは1週間で使い切ってください。

小田さんが主宰するstudio nuts のページ
http://www.studionuts.com/

まとめ

健康診断で血圧が高目に出てしまうと、いきなり「減塩しなきゃ!」と気ばかり焦り、「減塩」と書かれた食品や調味料を買っては来るものの、却ってその調味料自体を多目に摂ってしまうなど、そうそううまくいかないパターンも多いようです。減塩食品もいいけれど、まずは体が薄味に慣れるためのトレーニングから始めませんか?

ナトリウム分を抑えた調味料を使う、前述のような調理法を試すといったことのほか、味噌汁の際は市販の顆粒出汁ではなく、鰹節やこんぶでうまみをとるなどの減塩生活を、1カ月の間に1週間だけ、意識的に行うというものです。

実際にやってみると、その1週間もなかなか大変かもしれませんが、毎日毎日ではない、この期間が終わったら普通の食生活に戻れると思えば、何とか頑張れるのではないでしょうか。

減塩生活が終わり、従来食べていたものを口にしたら何だか濃く感じたら――トレーニングは大成功。

その調子で毎月反復し、どんどん控え目塩分モードになっていくことをお祈りします。